手のひら、ひらひら
江戸吉原七色彩 (えどよしわらなないろもよう)
著者 志川節子 文芸春秋 2009.4.10 第一刷
江戸時代の吉原での暮らしぶりを描いた作品。
吉原に売られてきた娘に男を教えひとかたの遊女に仕立て上げる上ゲ屋
年季を積んだ妓に活を入れ心身の張りを保つための策を授ける保チ屋
マッサージで妓の疲れを和らげる妓夫
遊女の手紙の代書をする遊女上がりの女
など吉原で生きる様々な職業の男女を描いた短編集だが、登場人物がリレーのようにつながってひとつの吉原の物語を作っている。さすがに女流作家だと感心するような細やかな気持ちのうつろいが味をだした作品。
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