難破! 交趾! 帰還!
古着屋総兵衛影始末 第8巻、第9巻、第10巻
大黒丸が南蛮の海賊船と交戦して船を損傷し、無人島で修理、交趾(こうち) ・・ベトナムまで行って交易するとともにイギリス船より大砲を購入して船を改造し、唐船や琉球で薩摩の軍船を撃破して江戸に帰還
と、なんと海洋冒険小説になってしまった。ホーンブロアーとかボライソー、トマスキッドなど一通り読み尽したファンなんだけど、さすがに江戸時代の和船を改造した3本マストの商船にイギリスの重砲を搭載して通商というのは筋書きに無理がありすぎるし、海洋小説に徹した細部の描写が不足。
薩摩藩の切り札の二千石船薩摩丸が総兵衛の火矢一本で火薬庫に火が入って撃沈というのはご都合良すぎで興ざめ。最後の武田騎馬軍団が馬に瓢箪をくくりつけて泳いで海上の大黒丸を襲うというに至っては筋立てが安っぽすぎる。
子供の頃の冒険王?なんかの月刊マンガで読んだ冒険マンガの筋にこんな荒唐無稽なのがあったような。
でも、こういう読み捨ての時代冒険小説を狙って書いているんだよねー。
さすがに話が無理がありすぎて10巻で仇敵柳沢吉保が失脚したのでという著者の注があって第一部完 となったが、第二部はあるのだろうか。たぶん無いよね。
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