2009年3月アーカイブ: くもの巣日記2

2009年3月24日

三好池の桜

三好池にウォーキングに行って来ました。
日当たりの良いところはもう桜がこんなに咲いています。恒例のボンボリも用意が進んでいます。
今度の週末当たりは見ごろかも。

三好池の桜

2009年3月23日

ルナ・ゲートの彼方

著者 ロバート・A・ハインライン
訳者: 森下弓子

創元推理文庫
1989.3.24初版 2009.1.23 7版

Tunnel in the Sky
1955

なんとまだ読んでいないハインラインを発見。と思ったらジュブナイルの文庫化
でもハインラインは少年から青年になる年代の若者を主人公に、歴戦の勇者が退役して先生。
という筋書きが多いから、ジュブナイル(子供向け)の読み物に合っているのかも。

で、ジュブナイルかーと思いながら読んだら、めっちゃくちゃ面白い。大人向けの創元推理文庫で出された訳だ。
ルナゲートという次元転送装置を使って未開の惑星にサバイバルテストに出された高校生のクラスが超新星の爆発で転送装置の不具合が出来て帰れなくなる。15少年漂流記のSF版だが、最後のどんでん返しがなんともジュブナイルに留まらない傑作。

2009年3月19日

鵺女(ぬえめ)狩り

夏目影二郎始末旅 狩りシリーズ 12巻

伊豆へ筆頭大目付となった父親と遍路旅に出る。
実は伊豆で有志の海防会議を開くとのことらしいが、筆頭大目付とか北町奉行の遠山の金さんとか国定忠治、佐久間象山とかが南町奉行の鳥居を逃れて秘密に開いたんだとか。
狩りは旅シリーズだけど、旅の動機付けが苦しいな。
親父との旅は良い味が出てるけど、鵺(ぬえ)とかいう京都で1000年も生きてきたというキメラみたいな怪物も出てくる。なんだか妖怪まで引っ張り出すとは敵役もよっぽど強くないと物足りなくなってきたね。 

2009年3月15日

異館

吉原裏同心 11巻

最近、小籐次、鎌倉河岸と別シリーズを読んでいたので、吉原裏同心シリーズは久し振り。
神森幹次郎と姉さん女房の汀女が吉原の用心棒をしているお話だった。
前々回で吉原が火事で焼けて仮宅での営業。前回は吉原の乗っ取りの企みを阻むところだったが、今回はその続きで、新たな勢力が吉原を狙うのと謎の辻斬り。朝鮮剣法を操る対馬藩の姫君がレズで花魁を殺すだのとややこしい。
タイトルの異館は朝鮮風の城が江戸の中に出来ている話が最後の方に唐突に出てくるが、異館の詳細は判らず、天守閣?だか屋根の上から隣の町の火の見櫓へ張り巡らしたロープに吊るした籠で逃げようとするなんて、怪人十面相の世界。江戸の町中にこんな異館は無理でしょうが。
別のシリーズでも似たようなのがあったし。
早く吉原を再建してもらわないと別のシリーズとの住み分けが難しくなりそう。次回は松平定信の影供?で京都へ行くことになりそうだし。旅先でのお話は狩りシリーズじゃなかったっけ?

2009年3月14日

バラの芽吹き

フロージン82というバラがずっと背丈が高くなって、まるでスタンダード仕立てのように1本の幹で1mくらいまで立ち上がり、そこから枝分かれしていました。花は咲くのですが、背が高くなりすぎるので思い切って地上から30cmくらいのところでばっさりと剪定してしまいました。
普通は芽の上で剪定するのですが、どこにも芽の無い幹だったので心配していました。
でもしっかりと芽が出来て出てきました。なんとか大丈夫だったみたいですね。

フロージン82の芽吹き

独り祝言

鎌倉河岸捕物控 13巻

政次としほの祝言を前に政次が会津藩の御用で帰ってこない。しほは独りで祝言をする覚悟をするが・・・
という筋書きの間に細かい事件が数件という捕物帳的ないつものパターン。

でもハッピーエンドは良いよね

2009年3月12日

冬の蜉蝣(かげろう)

鎌倉河岸捕物控 12巻

女剣士小夜の子供が誘拐される。政次が小夜の決闘の助太刀をして解決するが、宋五郎親分は政治力を発揮して犯人の関係の秋月藩の影響が及ばないようにする。このところ捕物は政次若親分中心だが、宋五郎は裏方へ回ってしっかり押さえているようだ。
板橋宿での火付け強盗や松坂屋での万引き犯が大掛かりな上方からの窃盗団だったとかの騒ぎを次々と政次若親分が解決。
でも一番の出来事は政次としほが結ばれたこと。次回はいよいよ祝言かな。

2009年3月11日

代がわり

鎌倉河岸捕物控 11巻

しほとの祝言の許しを得るため、川越の寺へ両親の墓参りに政次としほが行くことになる。
題名の代がわりとは9代目の宋五郎から10代目の政次のことかと思ったが、それもあるにしろ、町の商家の代がわりに伴う事件が色々と起きるというお話。

このシリーズは捕物控だけあって他のシリーズと違い、切りがないようでいつまでも続きそう。他のシリーズは段々と奇想天外になって来て江戸時代の時代劇の設定をはみ出したり、強すぎて相手がいなかったり、新しい技が出尽くして困ったりしているようだけど。

2009年3月10日

埋みの棘

鎌倉河岸捕物控 10巻

水戸藩の藩政改革を巡るお家騒動に11年前から巻き込まれていたのが再燃したというのがタイトルの「埋みの棘」
並行する事件は植木屋の番頭2人の殺人事件と女辻斬り。いずれも政次の活躍で解決していく。どうも捕物控も10巻ともなり、主人公は十代目を継ぐ政次ということになってきたようだ。

道場破り

鎌倉河岸捕物控 9巻

乳飲み子を連れた女武芸者が道場破りに来るというとんでもない筋書き。
政次に敗れた女武芸者小夜は結局、宋五郎が後見になって青物市場の隠居の離れを借りて住み、町の剣術道場の師範として江戸の町に住むことになる。
個性豊かな脇役が一人登場です。並行するお話は与力の息子が阿片だか覚醒剤だかの中毒になったのを救うというお話。

今回はこの二つの事件を追いながら細かい事件を次々と解決していく若親分の活躍が光る。

下駄貫の死

鎌倉河岸捕物控 7巻

金座裏の十代目を政次が継ぐことに反対していた手先の下駄貫が手柄を焦って単独行動をして殺されてしまう。甘やかされて育った若者のグループの犯行だが、現代の世相を江戸時代に写しているような事件。
政次は金座裏の宋五郎親分の養子となり、跡継ぎとしての披露がされる。いつものパラレル進行の筋書きは今回はしほや松坂屋の隠居たちの伊香保温泉の湯冶。

2009年3月 7日

銀のなえし

鎌倉河岸捕物控 8巻

7巻が売り切れだったので、飛ばしてしまったら政次が宋五郎と養子縁組して若親分になっていた。
8巻は若親分としての政次の活躍を中心に描いていくが、「銀のなえし」とは宋五郎親分が持つ「金流しの十手」に対になるように若親分の捕物用の道具らしい。十手のように鉤は付いていない8角形の棒のようで、組みひもを付けて投げつけることも突くことも、剣をたたき折ることもできる捕物道具。

ようやく政次がしほを嫁にする決心をするようで、しほを張り合ってきた幼馴染の亮吉や彦四郎との関係がどうなるのかは次回のお楽しみ。

引札屋おもん

鎌倉河岸捕物控 6巻

政次たちの行きつけの酒屋、豊島屋の旦那が引札屋のおもんと老いらくの恋に落ち、まわりの人間ははらはら。という筋が進行しつつ、政次が直心影流の目録をもらうという進展があり、最後は千社札でゆすりを働いた旗本との居合対決を制するまでに政次の剣の腕が上がったらしい。
今回も数々の事件を解決していくが、宋五郎のおかみさん、おみつの手先への労りというか、飯や酒を手際よくタイミングよく食べさせる手際と気配りが一番心に残った。
こういうおかみさんがいるから宋五郎親分も手先も気持ち良く働けるんだね。

古町殺し

鎌倉河岸捕物控 5巻

古町とは家康に従って江戸にやってきた古い町人。そういえば金沢にも尾張町という老舗の並ぶ街があった。古町町人は年に一度「お能拝見」ということで江戸城内で将軍臨席のもと無礼講の宴席に招かれるんだとか。宋五郎も家光様以来将軍お目見えの古町町人。
この古町町人を狙った連続殺人事件が起きる。
今回はやっぱり親分の宋五郎が主役。的確な捜査指揮と最後に手だれの剣客との一騎打ちで十手で剣術家の額を叩き割るという活躍。
捕物帳としての謎解きと主人公の痛快な活躍、江戸の町情緒の描写が楽しめる傑作。

2009年3月 5日

暴れ彦四郎

鎌倉河岸捕物控 4巻

幼馴染3人組のうち船頭をしている彦四郎が主人公。なぜか彦四郎が刺客に狙われるという話だが、しほの描いた絵が難事件の解決の糸口となる。
しほが川越へ里帰り?で話が並行に進み、戻ってきて絵を見せて解決という鮮やかな構成。
それにしても金座裏の親分の宋五郎は沢山の手先を見事に指揮して次々と事件を解決していく。大したもんだ。捕物控というだけあって、探偵物としても楽しめる傑作シリーズになってきた。

2009年3月 3日

天地人 人の巻

秀吉による徳川家康への抑えとして、越後から会津への国替えから関ヶ原の合戦、豊臣の滅亡まで。「直江状」という家康の天下取りを狙う不義を糾弾する手紙が有名だが、意外とさらりと描かれていて拍子ぬけ。
それにしても、徳川の世になった後、直江兼継は上杉の家を守るため自分の長男を廃嫡してまで家康側近の本多正信の次男を婿に迎えたとは。その婿が上杉が落ち着いた後、加賀の前田を監視するために上杉を去って前田に仕官してあの加賀の本多家5万石になったとは・・・。
知らなかった。

全体的になんだかさらりとした盛り上がりに乏しい話だなと思ったら、新聞連載小説だったのね。確かに章建てが細切れになっているし、書き下ろしとは違うよね。